ねこ観察ノート

猫と暮らして分かったことを、出典つきで

ペットショップの子猫、飼育環境に基準はあるのか — 環境省の「飼養管理基準」を確認する

2026-08-27NEW約5分で読めます#飼養管理基準#動物取扱業#子猫の迎え方

ペットショップやブリーダーが守るべき「飼養管理基準」を、環境省や自治体の公開情報から確認しました。ケージの大きさ、従業員一人当たりの頭数、繁殖回数の上限を整理しています。

結論
動物愛護管理法の改正により、ペットショップやブリーダーには2021年から「飼養管理基準」が義務づけられています。ケージの大きさ・従業員一人当たりの頭数・繁殖回数に数値の上限があり、既存の業者にも2025年までに完全適用されます。

そもそも「飼養管理基準」とは何か

これは、犬猫を扱う業者の飼育環境を法律で数値化した基準です。

環境省は2021年5月25日、「動物取扱業における犬猫の飼養管理基準の解釈と運用指針~守るべき基準のポイント~」を策定したと発表しました。動物愛護管理法の改正にともない、事業者や自治体が基準を正しく理解し、現場での飼養管理に活用できるようにする目的です。対象はペットショップ(販売業)だけでなく、保管業・貸出業・訓練業・展示業・競りあっせん業・譲受飼養業など、犬猫を扱う事業者全般に及びます。

ポイント
「かわいそうな環境で売られていないか」は、これまで見た目でしか判断できませんでした。改正後は、ケージの広さや従業員数に数値の下限・上限が設けられ、基準を満たさない業者は登録の取り消しなどの対象になります。

ケージの広さはどう決まっているのか

体の大きさに対する倍率で、ケージの最低限の広さが決まります。

岡山県動物愛護センターの案内によると、寝床と運動スペースを分ける「分離型」の場合、犬は縦が体長の2倍以上・横が体長の1.5倍以上・高さが体高の2倍以上、猫は縦が体長の2倍以上・横が体長の1.5倍以上・高さが体高の3倍以上(棚を2段以上設置)が基準です。寝床と運動スペースを分けない「一体型」では、床面積を分離型よりさらに広く確保する必要があります。

分離型は寝床と運動スペースが別、一体型は1つの広い空間で両方をまかなう 分離型 寝床 運動 一体型 1つの空間で寝床と運動を兼ねる(より広い面積が必要) 猫の場合、高さは体高の3倍以上(分離型)、4倍以上(一体型)で、 上下運動ができる棚を複数段設けることが求められます。
ケージの「分離型」と「一体型」の違い

従業員一人当たり、何頭まで飼育できるのか

人手不足のまま多頭飼育にならないよう、担当できる頭数に上限があります。

東京都動物愛護相談センターの案内では、従業員1人当たりの飼養保管頭数の上限は、犬が20頭(うち繁殖犬は15頭)、猫が30頭(うち繁殖猫は25頭)と定められています。繁殖に使う個体は世話の手間が大きいため、一般の飼育よりも低い頭数に抑えられている点が特徴です。

動物一般の飼育頭数の上限うち繁殖用の上限
1人あたり20頭1人あたり15頭
1人あたり30頭1人あたり25頭
注意
この上限は「飼っていい総数」ではなく「従業員1人が担当できる頭数」です。頭数が多い業者は、その分だけ従業員も多く必要になります。

何歳まで、何回まで繁殖させてよいのか

劣悪な繁殖を防ぐため、交配できる年齢と出産回数に上限があります。

川越市の案内によると、雌の交配は原則6歳以下までで、犬は生涯の出産回数が6回までとされています。ただし7歳の時点で出産回数が基準に満たないことを証明できれば、例外として犬は7歳まで交配が認められます。猫についても6歳以下が原則で、7歳時点の出産回数が10回未満であることを証明できれば7歳まで延長できます。

6歳を超えて交配するには、7歳時点の出産回数が基準未満であることの証明が必要 雌が6歳 出産回数が基準未満と証明できる 7歳まで交配可 証明できなければ そこで交配終了
交配年齢の例外規定の分岐
動物交配できる年齢の原則例外の条件
6歳以下7歳時点で生涯出産6回未満なら7歳まで可
6歳以下7歳時点で生涯出産10回未満なら7歳まで可

運動時間や日々の世話に基準はあるのか

寝床から一歩も出さない飼い方は、基準違反になります。

川越市の案内では、ケージで分離飼養する場合、1日3時間以上の運動をさせることが義務づけられています。散歩や遊具を使った活動を通じて毎日行うこととされ、閉じ込めたままの飼育を防ぐ狙いがあります。

既存の業者にはいつから適用されるのか

新規登録の業者と、すでに営業している業者とで、適用開始が異なります。

東京都動物愛護相談センターの案内によると、新規に登録する業者は2021年6月1日からすべての基準が適用されます。すでに営業していた業者は経過措置があり、第一種動物取扱業(販売業・貸出業など)は2024年6月1日、第二種動物取扱業(非営利の譲渡活動など)は2025年6月1日に完全施行となりました。

対象完全適用の時期
新規に登録する業者2021年6月1日
既存の第一種動物取扱業者2024年6月1日
既存の第二種動物取扱業者2025年6月1日
豆知識
2026年8月時点では、経過措置はすべて終わり、既存業者も含めて全基準が適用されています。基準を満たしていない業者は、都道府県・政令市による指導や登録取消しの対象になり得ます。

子猫を迎える前に確認できることとして、ケージに十分な広さがあるか、清潔に保たれているか、従業員が個体ごとの様子を把握できていそうかは、見た目からもある程度分かります。気になる点があれば、その場で質問してみるのも一つの方法です。

出典


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